近年、企業の競争力は「人」によって大きく左右される時代になっています。
従業員満足度(ES)は、社員のモチベーションや定着率、ひいては企業の成長に直結する重要な指標です。
しかし、ES調査に取り組んでいない企業、取り組んでも単なる一過性のイベントとして終わらせてしまう企業も少なくありません。
真の効果を得るためには、調査結果をどのように活用し、組織改善に結びつけるかがカギとなります。
当社では、従業員満足度調査を単なるデータ収集にとどまらず、組織活性化のための戦略的ツールとして位置づけています。
多様な業界での豊富な実績と現場に即した分析力を活かし、調査設計から結果の活用、改善施策の実行支援まで一貫したサポートを提供しています。
本ページでは、ES調査を効果的に活用するためのポイントを「調査設計」「結果の活用」「改善施策の実行」の3つのステップに分けて解説します。
これらのステップを踏むことで、従業員の満足度向上と組織の活性化を実現し、持続可能な成長へとつなげていきましょう。
効果的な調査設計のポイント
調査目的を明確にする
ES調査・従業員満足度調査を行う際、最初に押さえるべきポイントは「調査の目的を明確にすること」です。
目的が曖昧だと、質問設計や分析がブレてしまい、結果が改善施策につながらない危険性があります。
たとえば、「社員のモチベーション低下の要因を把握したい」「特定部門の離職リスクを検証したい」「働きがい向上のための施策を策定したい」など、具体的な課題を設定することで、必要な情報を効果的に収集できます。
調査目的を明確に設定することで、調査設計がブレず、回答者にとっても分かりやすい質問項目を作成することができます。
また、これによって、分析段階で注目すべき指標や改善に向けた優先順位も明確になり、経営層と現場の双方が実行可能な施策につなげることができるようになります。
調査目的の設定は、ES調査を単なるアンケートから、組織改善の有効な活動につなげる第一歩となります。
当社は、豊富な業界経験をもとに、企業ごとの経営課題や現場の状況に応じた調査目的の整理をサポートしています。
適切な調査手法を選ぶ
ES調査・従業員満足度調査では、目的に応じて最適な調査方法を選ぶことが重要です。
調査方法の選択次第で、回答率やデータの質、現場での活用度が大きく変わります。
たとえば、全社規模で幅広い従業員から効率的に意見を集めたい場合はWeb調査が有効です。
一方、特定部門や職場の雰囲気、細かい背景を把握したい場合は、対面ヒアリングやグループインタビューが適しています。
また、複数手法を組み合わせることで、定量データと定性データを組み合わせて深い洞察を得ることも可能です。
BtoB・BtoC、拠点の分散状況や職種の違いにも柔軟に対応し、回答者が回答しやすく、現場が活用しやすい調査方法を設計します。
調査方法の選定段階で目的と対象を明確にすることで、調査結果は単なるデータではなく、改善施策の実行につながる有効な情報となります。
ES調査の成果は、適切な調査方法選びから始まると言っても過言ではありません。
当社は、対象となる従業員層や企業規模、課題の性質に応じて、最適な調査方法を提案しています。
定量と定性のバランスを取る
ES調査・従業員満足度調査は、定量データと定性データを組み合わせることが成果につながります。
定量データは、満足度の数値や回答傾向を把握し、部門や職種ごとの比較や優先度の判断に役立ちます。
しかし、数値だけでは「なぜその結果になったのか」の背景や具体的な課題は見えません。
そこで、自由記述や面談などの定性データを加えることで、従業員の本音や改善のヒントを具体的につかむことができます。
数値で傾向を確認しつつ、現場の声を直接反映することで、改善策の優先順位や具体的な施策内容を明確にすることができます。
さらに、定性データをもとに経営層や現場担当者が理解しやすい形で整理するため、単なる数値報告にとどまらず、組織改善に直結する活用が可能になります。
定量と定性の両輪を活かすことが、ES調査を成果につなげるカギとなります。
当社は、調査目的や企業特性に応じて定量・定性のバランスを設計し、分析精度を高めています。
調査結果をどう活かすか
強みと課題の明確化
ES調査・従業員満足度調査の結果を最大に活かすには、組織の「強み」と「課題」を明確にすることが不可欠です。
単純に満足度の平均値を見るだけでは、どの領域に注力すべきかなどが判断できず、改善策も抽象的なものに終わってしまいます。
そこで、満足度と期待度のギャップを分析することが有効です。
例えば、職場環境に対する期待度が高いにもかかわらず、満足度が低い場合は、改善の優先度が高い課題として特定できます。
一方、既に高い満足度を示す項目は、強みとしてさらに伸ばす施策を検討できます。
こういった結果から、改善の優先順位を決めることができて、経営層は戦略的に意思決定を進めることが可能になります。
また、現場担当者も、自分たちが取り組むべき具体的な改善点を把握できることから、施策が実行しやすくなり、さらに、強みと課題を可視化することで、改善策が単なるアンケート結果に終わるのではなく、従業員満足度向上や組織活性化に直結する具体的な対策につなげることができます。
ES調査の成果を最大化するためには、この「強みと課題の明確化」が第一歩となります。
当社は、こうしたギャップ分析を活用し、部門別や職種別、勤続年数別に強みと課題を整理した上で、今後の施策を提案しています。
部門別・従業員層ごとの分析
ES調査・従業員満足度調査では、全社平均の数値だけで判断すると、組織全体の傾向は分かっても、特定部門や職種、役職別などの層ごとの課題を把握することはできません。
部門別・職種別・役職別などの分析を行うことで、社内の各グループごとの課題や対策を明確にすることができます。
例えば若手社員のモチベーション低下や、中堅社員の離職意向、役職者の業務負荷など、各グループ特有の課題を抽出することができます。
このクループごとの分析によって、改善策をより精度の高いものに絞り込むことができます。
データは、グラフやチャートを用いて分かりやすく整理して、経営層や現場担当者が容易に状況を把握できるようにすることで、どの部門から改善を始めるべきか、どの施策を優先すべきかの判断に役立てられます。
また、グループごとの傾向を踏まえて、カスタマイズした改善策の分析も可能になります。
これによって、単なる平均値の分析にとどまることなく、各グループの具体的なニーズに応じた施策を実行でき、従業員満足度の向上と組織全体の活性化につなげることができます。
当社は、調査結果を多角的に分析し、部門や職種ごとの傾向を可視化し、今後の強化対策を提案しています。
また、強化対策実施の際の伴走支援も得意にしています。
経営層への報告と共有
ES調査・従業員満足度調査の結果は、現場だけで活用するのではなく、経営層にも共有することが非常に重要です。
経営層が現状の従業員満足度や課題の実態を正しく理解することで、組織全体の戦略や人事施策に反映させることができます。
単にデータを報告するだけではなく、改善策の優先順位や期待される効果もあわせて提示することで、意思決定の質を高め、施策実行を後押しすることになります。
グラフやチャート、ギャップ分析などを用いて、視覚的に分かりやすく整理すれば、経営層は正確に社内の現状を把握できて、意思決定がスムーズに行えます。
また、現場担当者との情報共有も同時に行うことで、経営層と現場の双方が納得したうえで改善策を実行に移すことができて、組織全体での改善活動が円滑に進みます。
経営層と現場が一体となることで、ES調査の結果は単なる数値ではなく、従業員満足度向上と組織活性化につながる有効なツールとして機能します。
当社NMR流通総研では、調査結果を経営層向けに整理し、課題の本質や優先度、改善策の具体的なアクションまで明確化した報告資料を提供しています。
改善施策の実行と継続的PDCA
改善アクションの具体化
ES調査の結果を活用して組織を改善するには、単に課題を把握するだけでなく、具体的な改善アクションに落とし込むことが重要です。
「改善アクションの具体化」とは、誰が、いつまでに、どのように取り組むかを明確にすることです。
たとえば、若手社員のモチベーションが低下している場合、単に「働きがいを高める施策を実施する」と抽象的に決めるのではなく、「人事部が3か月以内にキャリア面談を実施し、各部門長が目標設定のサポートを行、伴走しながら支援活動を継続する」といった具合に具体的に対策を定めることで、実行可能で効果的な改善策になります。
改善の対象が明確になれば、現場担当者は優先的に取り組むべきアクションを把握でき、経営層も経営資源の配分や支援の判断を迅速に行えます。
また、施策の進捗状況を管理する体制や、担当者ごとの役割分担を明示することで、改善の実行性が高まります。
このように、改善アクションを具体的に設定することは、ES調査の成果を単なるデータに終わらせるのではなく、組織改善につなげるための第一歩となります。
当社は、調査結果をもとに部門や職種ごとの課題を分析し、それぞれの改善施策を具体化するサポートも行っています。
実行とフォローアップ
ES調査で具体化した改善アクションは、実行して終わりではなく、その後のフォローアップが非常に重要です。
施策を実施しただけでは、効果が出ているのか、期待した改善につながっているのかを把握できません。
フォローアップを行うことで、改善活動の進捗状況を確認し、必要に応じて施策の調整や追加のアクションを行うことなども可能になります。
たとえば、職場コミュニケーション改善の施策を導入した場合、定期的にヒアリングやアンケートを行い、従業員の反応や効果を測定することなども重要です。
施策ごとに責任者や期限を明確に設定し、進捗管理ツールなどを準備して定期的に進行状況を確認し、さらに、経営層や現場担当者への報告や相談などを行うことで、改善活動が円滑に進む仕組みを構築することができます。
フォローアップの結果に基づき、施策の内容を微調整したり、追加施策を計画したりすることで、改善活動を持続的に効果的に進められます。
このように、実行とフォローアップを組み合わせることで、ES調査の成果を組織改善に確実につなげることができます。
当社は、改善施策の実行段階からフォローアップ計画まで一貫して支援しています。
継続的な調査とPDCA」
ES調査・従業員満足度調査は、一度実施して終わるものではありません。
組織の課題は時間とともに変化するため、定期的に調査を実施し、改善策の効果を確認しながらPDCAサイクルを回すことが重要です。
定期的な調査により、前回の施策がどれだけ効果を上げたかを定量的・定性的に把握でき、新たな課題や改善点も迅速に特定できます。
また、変化を継続的に追跡することで、従業員の声を経営や現場の施策に反映させやすくなります。
調査結果をもとに施策を改善・更新するフローを構築することで、従業員満足度の向上を継続的に促進できます。
さらに、経営層や現場が改善活動の進捗を把握できる仕組みを整備することで、組織全体での改善活動が円滑に進みます。
ES調査を継続的なPDCAサイクルに組み込むことで、単なるアンケートに終わらず、組織の活性化と従業員満足度向上を戦略的に実現できるのです。
当社は、調査の設計段階から改善施策の実行、フォローアップまでを一貫してサポートし、定期的なPDCA運用を支援し、継続的な伴走支援を通じて、自社社員で自走できる体制整備まで支援しています。
まとめ
ES調査・従業員満足度調査は、単なるアンケートではなく、組織の強みを伸ばし、課題を改善するための有効なツールです。
本調査を活用することで、部門別や従業員層ごとの課題を明確化し、経営層と現場が一体となった改善施策を実行できます。
具体的なアクション計画を策定し、定期的なフォローアップや再評価を行うことで、改善活動を継続的に効果的に進めることが可能です。
当社は、調査設計から分析、改善施策の具体化、PDCA運用、自社運用ができるまで一貫してサポートしています。
豊富な経験とノウハウを活かし、組織の活性化と従業員満足度向上を戦略的に実現します。
ES調査の結果を最大に活かし、組織改善や人材育成に直結させるために、まずはお気軽にご相談ください。
キャリア豊富な専門スタッフが、御社の状況に合わせて丁寧に対応させていただきます。
サービス紹介
株式会社NMR流通総研は中小企業を支える大阪府新大阪駅の経営コンサルティング会社です。伴走型支援で現場に入り込み、マーケットコンサルや人事制度・社員教育の仕組み作り・研修を通じて高い成果を生み出します。
7913_color
まちづくり・エリアマネジメント支援|地域価値向上のためのコンサルティングサービス
新規事業開発コンサルティング|新規事業立ち上げを成功に導く支援
7913_color
社内コミュニケーションと情報共有、教育動画で組織力を強化するアプリ『WicsS』」
ES調査・従業員満足度調査で従業員の声を経営に活かす!
経営理念構築から浸透まで支える理念経営サポート
この記事を書いた人
大阪府の中小企業向け伴走型支援経営コンサルティング・株式会社NMR流通総研代表取締役 中坊 崇嗣

経歴
大学卒業後、大手流通企業に入社。商品仕入・販売管理、店舗運営の実務キャリアを形成するとともに、売場管理者としての小売現場のマネジメントキャリアを有します。
株式会社NMR流通総研入社後、商業ディベロッパー会社に出向し、テナント運営管理の仕組みを構築後、経営コンサルティング業務をメインとして、マーケティング、組織活性化コンサルティングを通じて企業活性化支援を総合的に展開している。また、行動心理士として、組織力強化を得意にしています。
メッセージ
私たちが他のコンサルティング会社と違うところは、(頭で考えて)プロジェクトプランや改善プランを設計して、その後はお任せではなく、私たちも実行段階まで踏み込んで、(身体も動かして)クライアントと一緒に新規事業の立ち上げや経営改善、組織活性、人材育成を推進することです。クライアントの目指す目標や抱える問題に共感・共有して、一緒に悩み、考え、実行、検証を進めブラッシュアップを図ります。私たちは、クライアントのパートナーとして一緒に歩み、そして一緒に成長して、生産性の向上や経営改善など、クライアントが実現を目指す目標を必ず達成しています。
ご相談・お問い合わせはこちら
当社は、長年のコンサルティング実績とそこで身につけた確かなキャリアとノウハウ、そして「お客さまとともに成長し経済の活性化に貢献する」という熱い思いがあります。
事業を成功に導き、成果に結びつけるために、着実にビジョンの実現や目標達成ができるよう、きめ細やかにコミュニケーションを取り、相互理解を深めて親身に支援いたしますので、どんなこともご相談ください。
お役立ちコラムに関連する記事
CS調査・顧客満足度調査のポイント解説-顧客の声を成果につなげる方法
2025年10月1日
近年では価格や商品力だけでなく、「顧客体験」や「サービス品質」への期待が高まり、満足度を正確に把握し改善へつなげることが競争力の源泉と...
社員が育ち、業績が伸びる人事評価制度 ― 制度設計から運用定着のポイント
2025年9月30日
しかし、多くの企業では、評価制度が形骸化し、社員が納得できないまま運用されているケースが少なくありません。
制...
理念経営浸透・定着支援|企業理念を定着させる実践プログラム
2025年9月29日
組織全体の行動指針や文化の根幹となるもので、社員やステークホルダーが共通認識として理解し、日々の行動や意思決定の...